【1級技能士が解説】射出成形実技試験で減点されやすいミス10選

射出成形技能検定の実技試験で減点されやすいミス10選を解説するアイキャッチ画像。インジェクション130成形機を背景に、安全確認や作業手順の重要性を紹介。 プラスチック技能検定学科

本記事の数値・手順はあくまで参考値です。
実際の作業では金型メーカー指定値・社内規定を必ず最優先にしてください。
内容の適用による損害について、当サイトは責任を負いかねます。

成形現場で働く皆さん、今日もお疲れ様です。

1級技能士のゆーじです。

今回は「実技試験で減点されやすいミス」についてお話しします。

射出成形技能検定の実技試験は、成形条件の技術力だけを見られているわけではありません。

私が受験した感覚では、実は安全確認や手順の丁寧さで減点されているケースがかなり多いです。

成形条件をどれだけ追い込めても、段取りの部分で減点を重ねると合格ラインに届きません。

私が1級受験時に意識していたポイントの中から、1級・2級どちらの受験者にも共通する内容を10個にまとめて紹介します。

この記事はこんな人向けです。

  • 射出成形技能検定1級・2級を受験予定の人
  • 実技試験で何を見られているのか不安な人
  • 条件出し以外の減点ポイントを知りたい人
  • 試験当日の立ち回りを確認したい人

採点基準は公式に細かく公開されているわけではありません。

本記事の内容は、あくまで私が受験した際の印象・実体験に基づくものです。

会場や試験官によって評価の重み付けが異なる可能性がある点は、あらかじめご了承ください。

実技試験で減点されやすいミスとは?

結論から言うと、成形技術そのものよりも「安全・手順」の部分が重視されていると感じました。

ダイプレート清掃時のモーターOFF忘れ

金型清掃の不備

寸法測定の漏れ

金型取り付け時の工具の扱い

測定・確認作業の姿勢

1級実技試験の全体像は1級実技試験の記事、2級は2級実技試験の記事でまとめていますので、あわせてご確認ください。

試験官はここを見ている(私の受験経験から)

公式に採点基準の詳細が公開されているわけではないので、あくまで私が受験した際の印象です。

それを前提にお伝えすると、試験官は成形条件の数値だけでなく、次のような部分をよく見ているように感じました。

  • 安全確認を省略していないか
  • 作業の順序が崩れていないか
  • 周囲や機械への配慮ができているか
  • 焦らず落ち着いて作業できているか

技能検定は、成形条件を追い込む力だけでなく、「現場に出しても安心して任せられる技能者かどうか」を見られている試験だと、私は感じています。

射出成形技能検定 実技試験で減点されやすいミス10選

ここからは「特に注意していたポイント」を10個紹介します。

①ダイプレート清掃時にモーターを切らない

ダイプレートを清掃するときは、必ずモーターをOFFにしてから作業します。

回転部に近づく作業なので、ここは安全確認の基本中の基本です。

ここは特に重視されていると感じたポイントです。

②金型清掃をウエスで丁寧に行わない

金型の清掃はウエスを使って行います。

雑に拭いただけで済ませたり、汚れを残したまま次の工程に進んでしまうと、清掃不足として見られます。

③成形機の寸法測定を漏らす

成形機側のタイバー間隔(縦・横)とロケート寸法の測定を漏らさないようにします。

金型を取り付けられるかどうかの確認そのものなので、手順の抜けとして重く見られる印象がありました。

④金型の寸法測定を漏らす

金型側も同様に、縦・横・ロケート寸法を測定します。

成形機側と金型側、両方の寸法を照らし合わせて初めて「取り付けられる」と判断できます。

⑤突出しロッドと金型穴の確認を怠る

突出しロッドの位置と、金型側の穴が合っているかを確認します。

ここを確認せずに型締めしてしまうと、機械や金型を破損させるリスクがあるため、特に重要視されていると感じたポイントです。

⑥金型取り付け時に工具やクランプを落とす

金型を取り付けている最中に、工具やクランプを落としてしまうミスです。

落下自体が安全上のリスクになるため、慌てず一つずつ確実に作業することが大切です。

⑦取り付け後に工具を放置する

金型の取り付けが終わったあと、使った工具をその場に置いたままにしてしまうミスです。

作業エリアに工具が散らかっていると、次の作業の妨げになったり、安全面でも問題視されます。

⑧ホッパー清掃時にフタを閉め忘れる

ホッパーを清掃したあと、フタを閉め忘れてしまうケースです。

小さなことに見えますが、異物混入防止の意識が問われる部分です。

⑨ノズルを不用意に触る

ノズル付近は高温になっているため、不用意に触るのは安全意識の面で気になるポイントです。

私自身、安全確認の一環として特に意識していました。

ノズルの取り扱いについてはノズルの外し方の記事でも詳しく解説しています。

⑩ノギスを片手で使用する

寸法測定でノギスを片手で扱ってしまうミスです。

片手での測定は数値がブレやすく、測定姿勢そのものが評価対象になる可能性もあるため、私は両手でしっかり保持して測定するよう意識していました。

10個を振り返ると、共通しているのは「安全確認」と「手順の丁寧さ」です。

成形の技術以前に、この2つを徹底するだけで防げるミスがほとんどです。

成形条件面で唯一気をつけたいポイント:オーバーパック

ここまでは段取り・安全面の話でしたが、成形条件の面で私が特に注意していたのがオーバーパック(樹脂の過充填)です。

オーバーパックは製品不良として目立ちやすく、条件出しの基本ができているかを見られやすいポイントだと、私は感じています。

ここは条件出しの基本を守っていれば防げる部分なので、日頃の練習で必ず潰しておいてください。

条件出しの基本的な順番は条件出しの順番の記事でまとめています。

試験終了後の掃除について

試験終了後の清掃が直接採点対象になっているかは分かりませんが、私の受験経験では大きく影響した印象はありませんでした。

ただし、これはあくまで私の体感であり、常識の範囲の話でもあります。

使った場所は綺麗にして終える、という姿勢そのものは大切にしてください。

減点を防ぐためのチェックリスト

  • ダイプレート清掃前にモーターをOFFにしたか
  • 金型をウエスで丁寧に清掃したか
  • 成形機側のタイバー・ロケート寸法を測定したか
  • 金型側の縦・横・ロケート寸法を測定したか
  • 突出しロッドと金型穴が合っているか確認したか
  • 金型取り付け時に工具・クランプを落としていないか
  • 取り付け後に工具を放置していないか
  • ホッパー清掃後にフタを閉めたか
  • ノズルを不用意に触っていないか
  • ノギスを両手で使用したか

よくある質問

実技試験の減点は成形条件よりも安全確認が多いですか?

公式な採点基準は公開されていませんが、私が受験した感覚では、成形条件そのものよりも安全確認や手順の丁寧さが重視されていると感じました。段取りの部分を丁寧に行うことをおすすめします。

寸法測定はどこまで細かく確認すればいいですか?

成形機側のタイバー間隔・ロケート寸法と、金型側の縦・横・ロケート寸法は必ず測定してください。金型が取り付けられるかどうかを判断する重要な確認項目です。

試験終了後の掃除も採点されますか?

私の受験経験では、試験終了後の清掃が採点に大きく影響した実感はありません。ただし技能者としての基本的な姿勢として、使った場所を綺麗にして終えることは大切にしています。

まとめ

実技試験の減点は、成形の技術力よりも安全確認と手順の丁寧さで発生しやすい傾向があります。

今回紹介した10個は、どれも普段の練習から意識すれば防げるミスばかりです。

本番で焦らないためにも、練習の段階から一つずつ確実に手順を踏む癖をつけておくことをおすすめします。

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